昭和初期に建てられ、戦時中焼夷弾で焼けたため増築したという歴史のある家です。
当初の計画では内壁には漆喰を施工する予定でしたが、元々の壁が大津壁というやわらかくて味わい深い素材だったため、それに合わせ、さまざまな下地に使用できる大津壁を新しく開発し、施工しました。
土 2.6ℓ 6号珪砂 3ℓ ひだしスサ(細かいワラ) 2ℓ タフバインダー5mm 40g
土 1 砂 3 ワラ 1.5 (容量比)
①マスキングテープで養生をし、ハイフレックス(5倍液)を塗る
②荒壁パネルの継ぎ目にメッシュ貼り用土を塗る
③メッシュを貼る
④メッシュの上からメッシュ貼り用土を塗り押さえる
⑤中塗り土を下ごすりする 下から上に塗る
⑥中塗り土 2回目
⑦上塗り
⑧マスキングテープをとる
⑨柱についた土を水をつけた刷毛で洗う
⑩押さえて仕上げる
⑪完成
土 1 砂 3 ワラ 1.5 (容量比)
九一漆喰 鈴鹿墨 粉つのまた糊 寒水石 オリーブオイル
鈴鹿墨と江戸墨を漆喰に混ぜる
寒水石と粉つのまた糊を混ぜたものを、ねずみ漆喰に混ぜる
糊のダマは壁に塗ると後で凹むのでダマにならないように。寒水石は厚みを均一にするために入れる。糊は粘り気を出すため
ねずみ漆喰20kgにオリーブオイルを紙コップ1+1/3杯入れ、混ぜる
①塗り厚を決める
②墨を打つ
③墨の位置までマスキングテープを貼る
④板金の部分にブチルテープを貼る
⑤ブチルテープの上にGメッシュを貼る
⑥ハイフレックスを塗る
⑦荒壁パネルの継ぎ目にメッシュ貼り用土を塗る
⑧メッシュを貼る
⑨メッシュ貼り用土を塗り押さえる
⑩中塗り土1回目
⑪チリ回りを水をつけた刷毛で洗う
⑫中塗り土2回目
⑬定木で高さを確認し、均一に
⑭チリ回りを押さえ、内側を横方向に押さえる。斜め方向にも押さえる
⑮定木を当てたとき、真ん中が少し膨らんでいるように。左右の隙間がコテ一枚分空くように
⑯中塗り土が乾いたら、マスキングテープ、マスカーで養生
⑰ねずみ漆喰 下塗り1回目
⑱ねずみ漆喰 下塗り2回目
⑲ねずみ漆喰 上塗り1回目
⑳ねずみ漆喰 上塗り2回目
?半乾きになったら押さえる(2回)
?マスキングテープをはがす
?完成
つなぎ漆喰ともいわれる。雨水を流す役割や、瓦のジョイント、美観目的でつくられてきた。形は様々。
①瓦にハイフレックスを塗る
②土の部分に漆喰を塗る
③塗り重ね1回目
④塗り重ね2回目櫛形に成形する
⑤完成
昔は180cmを1日でやれたら一人前、という仕事だったが、今はあまり手間をかけなくなった。
ボンドでつけるセラミックのものなどもあるが、陶器の瓦だと取れやすい。
竹 ワラ 赤土+黒土
土 1 砂 3 ワラ 1.5 (容量比)
消石灰 20kg 粉つのまた糊 900g スサ 500g 寒水石3厘 10kg 大津壁 レンガゴテ中 4杯
土 2.6ℓ 6号珪砂 3ℓ ひだしスサ(細かいワラ) 2ℓ タフバインダー5mm 40g
①竹小舞を編む
お城が木造で燃えるので土壁にしたのが始まり。この組み方は、室町時代頃からのもの。それまでは縄梯子のようなぶらぶらしたものに土を塗っていた
竹の向きは地方によって異なる
②竹小舞の上に土を塗る(内側・外側)
寝かした赤土と黒土を混ぜたものを塗る。粘りが異なる土を混ぜ、使いやすい固さに調整している
東日本は赤土、西日本は黒土が多い
昔はその土地にある土を使っていたが、今は土を作ることができる場所が限られるためそこから買っている
③既存の大津壁の浮いている部分を剥がす
④ハイフレックスを全体に塗る
⑤水吹きをして湿らせる(塗る箇所ごとに)
⑥既存の壁と補修する壁の境が剥がれないよう、メッシュ貼り用土を塗る
⑦その上にメッシュを貼り、その上にさらにメッシュ貼り用土を塗る
⑧乾かないうちに中塗り土を塗る
⑨木の部分の処理方法
メッシュ貼り用土がくっつかないため、また中塗り土の塗り厚が薄くなりクラックが入りやすいため、接着剤入りセメントをつけてメッシュを貼る
⑩中塗り土を塗る
⑪全面にMKプラスターを塗る
⑫砂漆喰を塗る
⑬大津壁を塗る
⑭MK撥水コートを全体に塗布する
⑮完成
土 1 砂 3 ワラ 1.5 (容量比)
消石灰 20kg 粉つのまた糊 900g スサ 500g 寒水石3厘 10kg 大津壁 レンガゴテ中 4杯
消石灰 60ℓ 白土 20ℓ スサ(長いもの)1.2kg
①既存の大津壁を剥がす。中塗りは残しておく
②破損している箇所を補修する
土がサラサラで剥がれてしまうところは、ストロングEを塗って土を固める
③既存の中塗り土が剥がれてしまうところは、全部剥がしてハイフレックスを塗り、新しく中塗り土を塗る
④既存の中塗り土の上にMKプラスターを塗る
⑤砂漆喰を塗る。ガリガリこすって砂1mm分の厚さになるように
⑥砂漆喰が触って手に着かないくらい乾いたら、大津壁を2回塗りする
1回目は薄く、コテを立てて縦方向に塗る
続きで2回目を横方向に塗る
⑦乾いたら、漆喰押さえゴテで押さえる
⑧養生テープを剥がす
⑨チリ回りを押さえる
⑩水刷毛でチリを拭く
⑪完成
土 2.6ℓ 6号珪砂 3ℓ ひだしスサ(細かいワラ) 2ℓ タフバインダー5mm 40g
土 1 砂 3 ワラ 1.5 (容量比)
消石灰 20kg 粉つのまた糊 900g スサ 500g 寒水石3厘 10kg 大津壁 レンガゴテ中 4杯
消石灰 60ℓ 白土 20ℓ スサ(長いもの)1.2kg
ハイフレックス
① 荒壁パネルにハイフレックスを塗る
②継ぎ目にメッシュを貼り、メッシュ貼り用土を塗る
③中塗り土を塗る
④砂漆喰を塗る。厚さ0.5mmになるように
⑤砂漆喰が触って手に着かないくらい乾いたら、大津壁を2回塗りする
⑥乾いたら、漆喰押さえゴテで押さえる
⑦水刷毛でチリを拭く
⑧養生テープを剥がす
⑨チリ回りを押さえる
⑩完成
幅が狭く、横方向のみにしか塗れなかった箇所に、横方向にひび割れが発生
①不織布に、大津壁の材料(粉だけ)を包む
②割れの部分に刷り込む
③チリ回りをクエン酸水で拭く
④霧吹きで水をかけ、固める
⑤完成